ニキビは漢方治療で体質改善し根本的に治そう!効果のある漢方薬の種類と効能について紹介
顔に突然できるニキビ。特に生理前にあご周りのフェイスラインにできたりしてツライですよね。
ニキビになると、洗顔や日々の食事を見直したりされると思いますが、それでも改善されない場合は皮膚科を受診される方が多いでしょう。
しかし、塗り薬や飲み薬を処方され一時的に症状は回復しても、その薬がきれたら再発してしまうことがあります。
これは、ニキビになりやすい体質が変わっていないことが原因です。
そこで、体質自体を改善してニキビを根本的に治療できると期待されているのが漢方治療です。
今回は、ニキビに効く漢方治療についてと、市販で買える漢方薬とその体質改善効果も一緒に紹介していきます。
ニキビの漢方治療がなぜいいの?
最初にご紹介したように、ニキビを根本的に改善できるとされているのが漢方を使ったニキビ治療です。
ただ、なぜニキビ改善には漢方治療がいいのか。気になると思います。
ここからは漢方治療についてご説明していきますが、その前に、ニキビができるメカニズムについて一度おさらいしておきましょう。
ニキビができるメカニズムと原因は?
ニキビを改善するためには、ニキビができるメカニズムについて知っておきましょう。
ニキビは、皮膚にある毛穴にできます。
毛穴が古い角質や毛穴からでる皮脂によって詰まることがニキビの始まりで、詰まりはじめのニキビは白く見えることから白ニキビ、詰まったものが酸化して黒く見えてくると黒ニキビと呼ばれます。
その後、毛穴の中のニキビ菌(アクネ菌)が、詰まった皮脂を餌にして増殖すると、毛穴の中で炎症を起こし、赤ニキビ、黄ニキビと変化していきます。
そして、ニキビの原因となっているのは、
- ターンオーバー(皮膚の入れ替わり)が崩れることによる毛穴の詰まり
- ホルモンバランスが崩れることによる皮脂分泌量の増加
とされています。(生理前にニキビができやすくなるのはこれらの原因によるいものといわれています。)
なので、ニキビを改善するためには、血流を良くしてターンオーバーを正常化させ、ホルモンバランスを整えることが大切です。
※ニキビの原因や、種類の対策についてより詳しく知りたいかたは、下記の記事を参考にしてください。
■参考記事
【完全版】大人ニキビ(吹き出物)の原因と種類別の治し方!ニキビ跡を治すオススメの方法も紹介
皮膚科でおこなわれるニキビの一般的な治療方法は?
ニキビの初期段階では、スキンケアによってニキビは改善されます。
しかし、一度に多くのニキビができたり、ニキビができる頻度が多い場合が皮膚科や美容クリニックでの治療が必要になり、一般的なのが西洋医学的な薬物治療です。
西洋医学的な薬物治療と書くと少し難しく感じるとおもいますが、よく病院で処方される塗り薬(抗菌薬(抗生物質)や、非ステロイド系抗炎症剤など)のことです。ニキビを治すために、一般的に塗り薬が処方されます。(もちろん、症状にはよります)
その他にも、ケミカルピーリング(皮膚の表面の古い角質を、薬剤を使ってはがし、皮膚の再生を促進する治療のこと)、ビタミンCの服用、圧出(器具を使って皮脂を押し出す治療)などがあります。
しかし、西洋医学的な治療でニキビの症状が一時的に改善されても、体質はかわってはいません。
なので、治療が終わる(薬が切れる)と、またニキビが発症したり繰り返してしまう可能性は低くはないのです。
漢方薬で体質改善してニキビができにくい身体に
漢方薬を使った治療は東洋医学的な治療となります。
東洋医学とは、西洋医学のような科学的な根拠(解剖や研究など)ではなく、これまでの長い歴史のなかで、人間の身体を観察してきて、経験などで積み重ねられてきた医学です。
漢方以外では、足ツボなども東洋医学です。
西洋医学では、外傷・外科手術などに強いのに対して、東洋医学では、人間の内部環境(自律神経や免疫力など)に効果的といわれています。
ニキビの原因は、外からの要因(メイクの汚れが溜まる、洗顔が不十分など)もありますが、基本的には身体の内側の問題が大きいとされています。
なので、ニキビの漢方治療で、ニキビを作ってしまう身体の内側の原因を改善できるので、ニキビができにくい身体を手になります。
漢方を飲む前に知っておいたほうが良い知識
これから漢方治療をはじめる方にとって、知っておいたほうが良いことがあります。具体的な漢方の種類をお伝えする前に少し説明しておきます。
漢方といえば「ツムラ」の漢方
「ツムラ(株式会社ツムラ)」は、漢方を中心に扱っている会社の名前です。
病院で処方される漢方の多くは「ツムラ」の漢方を処方されるため、この名前を目にする機会があるでしょう。
1893年から続く長い歴史があり、品質管理なども徹底された信頼ある製薬会社です。
会社のHPには、漢方の特徴や歴史、また漢方に関するQ&Aもあるので、漢方治療に興味のあるかたは、一度ご覧になられるととても参考になると思います。
■株式会社ツムラ
https://www.tsumura.co.jp/
漢方薬を飲む前に自分の「証(しょう)」をチェックしよう
漢方では、患者ひとりひとりに遭った診察や処方がおこなわれます。その時に、体質別に大まかなにタイプを分けるのが「証(しょう)」と呼ばれるものです。
なかでも、よく使われるのが「虚証」と「実証」。そしてその中間の「中間証」です。この証によっても飲む漢方も変わってきます。
実際は専門医にみてもらうのが一番だとされていますが、自分でもある程度チェックできるサイトがありましたので、チェックしてみてください。
■漢方ナビ
https://www.kamponavi.com/library/l03.html
実際によく処方される漢方薬の種類とその効能
それでは、実際にニキビに効くとされる漢方薬の種類とその効能について紹介していきます。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
ニキビに効くとされる一般的な漢方薬です。
中間証、実証といった比較的健康で体力のある方に処方されます。
身体の上部を冷やす効能があり、ニキビや、顔面や頭部の湿疹・皮膚炎などにも効果があるとされています。
特に、皮脂量の分泌が多く、脂ぎった肌で赤いニキビが多い方にとってはとても有効な漢方です。
主薬の防風(ボウフウ)や、薄荷(ハッカ)、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)はニキビの原因となるものを皮膚から発散する作用があり、更に黄連(オウレン)/黄ごん(オウゴン)といったニキビの炎症をしずめる作用がある成分が配合されています。
■配合成分
防風(ボウフウ)/薄荷(ハッカ)/荊芥(ケイガイ)/連翹(レンギョウ)/黄連(オウレン)/黄ごん(オウゴン)/山梔子(サンシシ)/桔梗(キキョウ)/川きゅう(センキュウ)/白シ(ビャクシ)/枳実(キジツ)/甘草(カンゾウ)
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
この漢方は、身体の熱や腫れをひかせる効能があり、ニキビの原因となるものを皮膚から発散させる作用があります。
また、血行を良くしてくれる作用があり、慢性鼻炎や蓄膿症の方に処方されますが、炎症をともなうニキビや湿疹によいとされています。
■配合成分
黄ごん(オウゴン)/黄柏(オウバク)/黄連(オウレン)/桔梗(キキョウ)/枳実(キジツ)/荊芥(ケイガイ)/柴胡(サイコ)/山梔子(サンシシ)/地黄(ジオウ)/芍薬(シャクヤク)/川きゅう(センキュウ)/当帰(トウキ)/薄荷(ハッカ)/白し(ビャクシ)/防風(ボウフウ)/連翹(レンギョウ)/甘草(カンゾウ)
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
この漢方は、生理前にできるニキビや肌荒れに有効とされているニキビです。
血液の流れをよくして体内の熱のバランスを整えてくれるので、のぼせや冷えを改善し炎症を沈めてくれます。
この漢方に配合されている桂枝(けいひ)には、停滞しているものを動かし、発散させる作用があり、また整腸作用も期待できます。その他にも、痛みをとる代表的な生薬である芍薬(しゃくやく)や、リラックス効果のある茯苓(ぶくりょう)、血行を良くする桃仁(とうにん)や牡丹皮(ぼたんび)、美肌効果のある
苡仁(よくいにん)などが配合されています。
■配合成分
桂皮(ケイヒ)/芍薬(シャクヤク)/茯苓(ブクリョウ)/桃仁(トウニン)/牡丹皮(ボタンピ)/苡仁(ヨクイニン)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) は、虚証の方(少し体力のない方)に処方されることが多い漢方です。
血行改善効果があり、身体を温めてくれるので貧血症状によいとされています。また、痛みをやわらげたり、ホルモンバランスを整える効果があるため、色じろで冷え性をもっている女性などに処方されます。
配合されている当帰(とうき)と川きゅう(せんきゅう)には、貧血症状の改善作用があり、芍薬(しゃくやく)は生理痛や肩こりなどの痛みをやわらげてくれます。
また、蒼朮(そうじゅつ)と沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)は、利尿作用があるとされる漢方の代表的な利尿薬です。むくみ症状を改善する効果が期待できます。
■配合成分
当帰(トウキ)/川きゅう(センキュウ)/芍薬(シャクヤク)/蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)/沢瀉(タクシャ)/茯苓(ブクリョウ)
漢方は専門医や皮膚科を受診して処方してもらいましょう
漢方は、ひとりひとりの症状や体質に合わせて処方されることが一番とされています。
なので、実はこれまでに紹介した漢方薬以外にも、ニキビに効くとされる漢方はまだまだあります。
なので、これからニキビの漢方治療を始めてみようと思っている方は、必ずお近くの専門医を受診してどの漢方が自分にあっているか判断してもらうことをおすすめします。
皮膚科を受診する前に、その病院に一度お問い合わせ、漢方治療をおこなっているか事前に確認をとるとよいでしょう。
漢方って健康保険はつかえるの?
よくある質問に「漢方って健康保険は使えるの?」というものがあります。
答えは、健康保険が適応できるものもあれば、適応できないものあるということ。現在は、数ある漢方のうち、医療保険に適用されている漢方が148処方あります。
保険に関しても、医院や診断内容によって変わってくるものなので、受診前に医院に事前確認することを強くおすすめします。
まとめ
今回はニキビに効く漢方治療についてお伝えしました。
ニキビの治療は一般的には西洋医学によるものが多く、抗炎症効果のある塗り薬や、レーザー治療などといった特別な治療がおこなわれます。
比較的効果を実感できるまでが早いため、ニキビをすぐに改善したい場合は有効です。
しかし、ニキビの症状を根本的に改善したい場合は、漢方治療がなによりもおすすめです。
少し改善までに時間がかかりますが、ニキビができにくい体質になれば、毎日塗り薬を塗ったり、スキンケアに念入りにするといったことからも解放され、生理前に悩むことも減ってきます。
西洋医学的な治療も漢方のような東洋医学的な治療もどちらもメリットやデメリットがあります。
「このニキビを今すぐどうにかしたい」、「ゆっくりでいい方、根本的にニキビとさよならしたい」など、自分の気持ちにあわせて治療方法を選んでもらえたらと思います。